


AGA(男性型脱毛症)と深い関係があると言われる男性ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)。
AGAの原因の1つになるとわかれば、DHTの増加は何としても防ぎたいものです。
そのためにはDHTがどのような特性で、何が理由で増加するかを正しく理解しなければなりません。
AGAでお悩みの方にぜひ知っていただきたいDHTについて、解説させていただきます。
DHT(ジヒドロテストステロン)とは、テストステロンと5αリダクターゼが結びつくことで生まれる男性ホルモンのことです。
DHT(ジヒドロテストステロン)はいくつか種類がある男性ホルモンの一種で、年齢によってその役割が次のように異なります。
・胎児期…男性の外性器(陰茎・陰嚢)の発達
・思春期…体毛や声変わりの発現
・成人期…AGAや皮脂分泌、前立腺肥大など
男の子が母親のお腹の中で成長する間、外性器の形成に関わるのがDHTです。
妊娠6〜16週ころにかけて分泌量が増えるテストステロンがDHTに転換され、性の分化を進めます。
思春期では体毛の発生や声変わりなどの二次性徴に、成人以降はAGAや皮脂分泌、前立腺肥大の発症に影響を与えます。
1.男性ホルモン「テストステロン」が5αリダクターゼの働きにより、さらに活性の高い「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されます。
2.DHTが前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体(レセプター)に結合します。
3.DHTが受容体と結合して、脱毛因子(TGF-β)を増やし、毛母細胞の増殖が抑制されることにより髪の成長期が短縮し、薄毛につながっていきます。
DHTだけがAGA発症の原因となるわけではありませんが、このメカニズムを見ると、DHTがAGA発症に関わっていることがわかります。
さらに、DHTはAGA以外にも成人男性の健康によくない影響を与えることがあります。
前立腺肥大が心配な方やニキビでお悩みの方も、DHTについて正しい理解を深めることをおすすめします。
DHTはテストステロンと5αリダクターゼが結合してつくられるので、テストステロンの量が多く5αリダクターゼの活性が高い=DHTが増えやすいと考えられます。
ただし、テストステロンの数値にはあまり個人差がありません。
よってDHTが増える原因には5αリダクターゼの活性が深く関係することがわかります。
また、5αリダクターゼが活性しやすいかどうかは、遺伝が大きく影響しています。
もう一点、DHTが増える原因として考えられるものの一つに喫煙があります。
体内のDHT量は喫煙によって増えることがわかっています。
その数値は非喫煙者に比べて14%高く、タバコを吸う人はAGA発症のリスクが高くなる可能性があります。
DHTは、胎児期や思春期の男性の発育に必要不可欠なホルモンです。
胎児期では外性器の形成、思春期においては男性らしい身体づくりを支えます。
一次性徴と二次性徴の発達を促すことが、DHTのもっとも重要な役割と言えるでしょう。
成人以降のDHTは、AGAや前立腺肥大、ニキビの原因となるため、成人男性にとってデメリットの多いホルモンという見方をされることが多いです。
DHTの量を減らしたり、その作用を抑制するには次の3つの方法が考えられます。
1.食べ物を見直す
2.禁煙する
3.専門医に相談し、AGA治療を受ける
ここからはそれぞれの方法をより詳しく説明していきます。
DHTの抑制が期待できる食べ物がいくつかあるため、積極的に摂取するようにしましょう。
亜鉛...5αリダクターゼの抑制作用があるため、結果的にDHTの生成を抑制する
ビタミンB6...5αリダクターゼの抑制作用があるため、結果的にDHTの生成を抑制する
大豆食品...女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きをする。相対的に男性ホルモンが減少するためDHTの生成を抑制する・5αリダクターゼの働きを阻害する効果も期待できる
DHT量は喫煙によって増加することがわかっています。(喫煙者と非喫煙者ではDHT量に14%の違いがある)
となると、タバコを吸わなければDHT量の増加が防げる可能性があります。
また、喫煙は頭皮の毛細血管を収縮させ、毛髪の成長に必要な酸素や栄養が行き渡るのを妨げます。
AGA治療には外用薬や内服薬による投薬治療をはじめ、髪の成長因子を直接頭皮に注射する注入治療(メソセラピー/HARG療法)や薄毛部位に自毛を移植する植毛術などがあります。
投薬治療では発毛や髪の毛の成長を促進するための外用薬や5αリダクターゼのはたらきを阻害する内服薬などを使用します。
5αリダクターゼのはたらきを阻害できればDHTの生成も抑制できるので、結果的にAGAの進行を回避できる可能性があるというわけです。
ここからはDHTについて多くいただくご質問にお答えしていきます。
筋力トレーニングが薄毛の原因になるという説に医学的根拠はありません。
なぜこのような噂が広まったのか、その理由は筋肉と薄毛の両方に関係する男性ホルモン(テストステロン)の影響が考えられます。
筋力トレーニングをするとテストステロンの分泌量が増加すると言われていますが、テストステロン自体が薄毛の誘因となるものではありません。
テストステロンが薄毛に影響を与えるのは、5αリダクターゼと結合しDHTが生成された時です。
「筋トレでテストステロンが増える」という事実が、いつしか「筋トレでDHTが増える」と誤認され、その結果「筋トレすると薄毛になる」という噂に発展したものと思われます。
DHTが多い=AGAのリスクレベルが高いため、AGA特有の薄毛症状(生え際や頭頂部の薄毛)が認められることが多いです。
またAGAは遺伝的要因が大きいので、AGA発症者の家族にも薄毛の方が多い傾向があると言われています。(家族の薄毛が必ずしも遺伝するわけではありません)
亜鉛のDHT抑制作用についてはさまざまな研究機関が臨床試験を行っていますが、確かな有効性を示した結果はほとんどありません。
体臭の直接的な原因となることはありませんが、DHTには皮脂分泌を促すはたらきがある点は留意すべきです。
というのも、皮脂は肌のベタつきや毛穴のつまりの原因となり、放置すると酸化してにおいの原因となるからです。
体臭が気になる方は、皮脂や汗をこまめに拭き取って肌を清潔に保つことをおすすめします。
成人期はDHT減少によるデメリットはほぼないと考えられます。
一方胎児期(母親のお腹の中にいる時期)においては、男性外性器の発育に影響を及ぼす可能性があります。
妊娠中の女性はDHT阻害作用のあるAGA治療薬の服用が禁忌ですので、十分ご注意ください。
DHTには皮脂分泌を促す作用があり、DHTによって皮脂腺が刺激されるとニキビができやすくなると考えられています。
AGAや前立腺肥大の原因となるDHT。
思春期までは身体の発育に欠かせないホルモンですが、成人男性の場合はメリットよりもデメリットが上回ります。
DHT量は禁煙や薬によるAGA治療で減らせる可能性がありますので、薄毛でお悩みの方は生活習慣の見直し等をご検討ください。